離婚の慰謝料と財産分与の違い、不動産にかかる税金

慰謝料は婚姻関係の破綻を引き起こした違法行為に対する損害賠償であり、財産分与は夫婦が共同で形成した財産を寄与度に応じて清算する制度です。特に不動産を移転する場合、名目と実質により、譲渡所得税、取得税、将来売却する際の取得価額が異なることがあります。

離婚時に配偶者へ支払う金銭をすべて慰謝料と呼びがちだが、慰謝料と財産分与は、目的から請求の相手方、判断基準、請求期限、税金に至るまで異なる。両方を同時に請求することができ、一方が有責配偶者であるという理由だけで、財産分与を受ける権利まで当然に失われるわけでもない。

以下は、大韓民国の民法および税法を基準とした一般的な説明である。実際の課税は、移転する財産の種類、登記原因、住宅数、価額、取得時期、合意内容によって異なる場合がある。

慰謝料と財産分与の主な違い

区分 慰謝料 財産分与
法的性質 婚姻破綻を招いた違法行為に対する精神的損害賠償 婚姻中に共同で形成・維持した財産の清算と離婚後の生活保障
過失の必要性 相手方の責任ある違法行為と精神的損害を立証する必要がある 原則として過失の有無より、財産の形成・維持に対する寄与度を判断する
請求の相手方 責任のある配偶者、一定の要件を満たす第三者 原則として配偶者
主な判断要素 不貞行為、暴力、悪意の遺棄、婚姻期間、破綻の経緯と責任の程度 婚姻期間、所得、家事・育児、財産取得資金、債務、維持・増加への寄与度
金額・割合 法定の定額や一律の相場はない 無条件に半分ではなく、個別の寄与度と事情を総合する
請求期限 配偶者に対する離婚慰謝料は、一般に離婚した時から3年が問題となる 離婚した日から2年以内に請求しなければならない
同時請求 財産分与と併せて請求可能 慰謝料と併せて請求可能

慰謝料の金額には、法律で定められた標準額はない。オンラインでよく言及される一定の金額帯は、すべての事件に適用される基準ではなく、破綻の原因と期間、責任の程度、当事者の経済力など、具体的な事情によって異なる。

慰謝料は過失に対する損害賠償である

慰謝料を受け取るには、単に性格が合わなかったという事情だけでは足りず、相手方の違法行為、婚姻破綻との因果関係、精神的損害を裏付けなければならない。不貞行為、暴力、反復的な侮辱または悪意の遺棄などが争点となり得る。

配偶者以外の第三者にも請求できるか

配偶者と不貞行為をした第三者が婚姻関係を侵害し、破綻に至らせた場合、損害賠償責任が認められることがある。ただし、次のような制限がある。

配偶者に対する離婚慰謝料請求と、第三者に対する不法行為損害賠償請求では、時効の起算点と法的構成が異なる場合がある。第三者への請求については、損害および加害者を知った日から3年、不法行為があった日から10年という、民法上の不法行為による消滅時効も併せて検討しなければならない。

財産分与は共同財産を清算する制度である

財産分与は、誰の責任で離婚したのかを理由に罰する制度ではない。名義が一方の配偶者にしかなくても、他方の配偶者が収入を得る活動、家事、育児、財産管理などを通じて、その形成と維持に寄与していれば、分与の対象となり得る。したがって、婚姻破綻に責任のある配偶者も、原則として財産分与を請求できる。

分与の対象となり得る財産

婚姻前から保有していた財産、相続財産、贈与財産は、原則として特有財産である。しかし、相手方が長期間管理したり債務を負担したりするなど、その財産の維持・増加に実質的に寄与した場合、その寄与が分与に反映されることがある。

国民年金などの公的年金における分割年金には、民法上の財産分与とは別の法的要件および請求手続が適用されることがあるため、併せて確認しなければならない。

事実婚でも財産分与は可能か

婚姻の実質はあるものの婚姻届だけを提出していない事実婚関係も、解消される際、判例上、財産分与が認められることがある。ただし、共同生活の意思や、社会的に夫婦として生活していた実態のない単なる同居は、事実婚として認められないことがある。慰謝料についても、事実婚の破綻に責任のある違法行為が立証されなければならない。

請求期限と手続上の注意点

財産分与請求権は、離婚した日から2年が経過すると消滅する。協議離婚は離婚届が受理された日、裁判上の離婚は判決確定日など、法的に婚姻が解消された時点を基準に検討する。

配偶者に対する離婚慰謝料は、通常、離婚した時から3年以内に請求したかどうかが問題となる。具体的な請求の相手方や不法行為の時点によって計算が異なる場合があるため、期限が迫っている場合は個別に確認する必要がある。

協議離婚をしたという事実だけで、財産分与まで自動的に終了するわけではない。当事者が別途合意するか、家庭裁判所に財産分与を請求しなければならない。合意が難しい場合は、家事調停の過程で慰謝料、財産分与、養育費などを併せて定めることができ、調停調書には執行力が生じることがある。

相手方が財産分与を免れるために財産を処分した場合、民法上の詐害行為取消しや、仮差押え・仮処分などの保全手段を検討できる。財産明細、口座、不動産登記、融資および処分履歴を早期に確保することが重要である。

現金で支払う場合の税金

精神的損害を賠償する通常の現金による慰謝料は、一般に受領者の課税所得や贈与とはみなされない。現金による財産分与も、本来、共同で形成した財産を清算する範囲であれば、一般に贈与税は課されない。

ただし、次のような場合には結果が異なることがある。

税務当局は、文書の表題だけを見るのではなく、実際の支払原因と金額算定の根拠を判断する。

不動産を慰謝料として移転する場合

現金の代わりに住宅や土地で慰謝料債務を弁済すると、税法上、不動産によって債務を弁済する代物弁済と評価されることがある。この場合、不動産を譲り渡した者は、経済的に不動産を有償で譲渡したものとみなされ、譲渡所得税の納税義務が生じることがある。

不動産を受け取る者には、取得税と登記費用が発生することがある。慰謝料による移転の取得税率を常に3.5%と断定することはできない。不動産の種類と価額、住宅数、所在地、移転の法的性質、および適用時点の地方税法によって税率や重課の有無が異なる場合があり、地方教育税や農漁村特別税などの付加税も確認しなければならない。

慰謝料として取得した不動産を後に売却する際は、慰謝料の弁済時に認められた取得価額と取得時点が、新たな譲渡所得税計算の出発点となるのが一般的である。したがって、合意書に弁済額を明確に記載し、必要に応じて鑑定評価など客観的な時価資料を保管することが重要である。

不動産を財産分与として移転する場合

婚姻中に形成した財産を適正に分ける財産分与は、本来、自分の持分を確定する性質を持つため、不動産を譲り渡す時点では、原則として譲渡所得税が課される譲渡とはみなされない。

民法上の財産分与により不動産を取得すると、地方税法上の特例税率が適用され、取得税本税が一般に1.5%となることがある。ただし、これはすべての付帯税を含む最終的な負担率ではなく、形式だけの財産分与や、正当な範囲を超えた移転については、特例が否認されることがある。

後に売却する際は取得価額が引き継がれる

財産分与時に譲渡所得税が課されないからといって、税金が永久になくなるわけではない。分与によって受け取った持分については、従前の配偶者の取得時期と取得価額を引き継ぐのが原則である。

例えば、一方の配偶者が10年前に土地を1億ウォンで取得し、現在の価値が10億ウォンであるとき、他方の配偶者が財産分与としてその土地を受け取ったと仮定しよう。その後、11億ウォンで売却した場合、単純に財産分与時の価値である10億ウォンとの差額1億ウォンのみを基準として計算するわけではない。従前の取得価額である1億ウォンを出発点としつつ、資本的支出、必要経費、長期保有特別控除、非課税要件などを反映して譲渡所得を計算する。

反対に、慰謝料の代物弁済として取得した場合は、弁済時に認められた価額が取得価額となることがある。慰謝料方式では移転時点に支払者の税負担が前倒しされる場合があり、財産分与方式では受領者の将来の譲渡益が大きくなる場合があるという違いがある。

税金の違いの比較表

支払方式 移転する者 受け取る者 将来の売却時の要点
現金による慰謝料 一般に譲渡所得税なし 通常の精神的損害賠償は、一般に所得税・贈与税の対象ではない 該当なし
現金による財産分与 一般に譲渡所得税なし 適正な共同財産の清算は、一般に贈与ではない 該当なし
不動産による慰謝料 代物弁済とみなされ、譲渡所得税が発生することがある 取得税と登記費用を負担する可能性がある 弁済時に認められた取得価額と時点が基準となることがある
不動産による財産分与 適正な分与であれば、移転時に譲渡所得税が課されないのが原則 財産分与に関する取得税の特例が適用されることがある 従前の所有者の取得価額と取得時期を引き継ぐのが原則

実際の負担を比較する際は、直近の譲渡所得税と取得税だけでなく、将来の売却時の税金、1世帯1住宅の非課税、保有期間、融資の引継ぎ、登記費用まで併せて計算しなければならない。

見落としやすい争点:合意書の文言より取引の実質が重要である

同じ不動産を移転する場合でも、合意書に慰謝料と記載したか、財産分与と記載したかだけで税金が決まるわけではない。裁判所と課税当局は、婚姻期間、財産全体の規模、それぞれの寄与度、違法行為に対する賠償額、債務負担、実際の履行内容を併せて検討する。

合意書や調停調書には、少なくとも次の内容を区別して記載しておくことが望ましい。

混合した合意であれば、不動産全体のうち、どの部分が慰謝料で、どの部分が財産分与なのかを、合理的な根拠とともに区別しなければならない。税金を減らすために実態と異なる名目を付けると、譲渡所得税や贈与税が追徴され、加算税が発生することがある。

決定前に確認するチェックリスト

  1. 夫婦名義の不動産、預金、株式、保険、退職給付、債務をすべて確認する。
  2. 各財産の最初の取得日、実際の取得価額、現在の時価、資金の出所を整理する。
  3. 婚姻前の財産・相続財産と、婚姻中に共同形成した財産を区別する。
  4. 慰謝料と財産分与を別々に算定し、それぞれの根拠を合意書に残す。
  5. 不動産移転前に、譲渡所得税、取得税、付加税、将来の売却時の税金を併せて比較する。
  6. 協議離婚だけを済ませて財産問題を先送りする場合、財産分与の2年の期限を逃さない。
  7. 高額不動産、法人持分、海外財産、または複数の住宅が含まれる場合は、登記前に法務・税務上の検討を受ける。

慰謝料と財産分与は、いずれかの名目が無条件に有利な選択肢というわけではない。実際の法律関係に合った方法で整理し、現在の移転時の税金と将来の譲渡所得税を併せて計算しなければならない。

FAQ

離婚すると、財産は必ず半分ずつ分けるのですか?

いいえ。婚姻期間、収入を得るための活動、家事や育児、財産取得の資金、債務の負担、および財産の維持・増加への寄与度を総合的に考慮して割合を定めます。共有名義か単独名義かは重要な資料ですが、それ自体で最終的な割合が決まるわけではありません。

離婚原因を作った有責配偶者も財産分与を受けられますか?

原則として可能です。財産分与は、過ちに対する制裁である慰謝料とは異なり、共同で形成した財産を清算する制度だからです。ただし、慰謝料の債務と財産分与額が、合意や裁判の過程で併せて考慮されることがあります。

慰謝料と財産分与を同時に請求できますか?

可能です。2つの請求は目的と法的根拠が異なります。ただし、合意書や調停調書には、それぞれの金額と給付する財産を区分して記載することが、紛争や税務上の誤解を減らすのに役立ちます。

配偶者名義の家も財産分与の対象になりますか?

婚姻中に共同の努力によって取得または維持した家であれば、単独名義でも対象となる可能性があります。婚姻前に取得した家や相続した家は、原則として特有財産ですが、相手方による維持・増加への寄与が認められれば、その寄与が反映されることがあります。

不動産を財産分与として受け取れば、譲渡所得税は完全になくなりますか?

移転時には、適正な財産分与を譲渡とみなさないのが原則ですが、税金が永久になくなるわけではありません。後に売却する際、元配偶者の取得時期と取得価額を引き継いで譲渡益を計算することがあります。

不動産を慰謝料として受け取る場合、取得税は常に3.5%ですか?

常にそうとは限りません。不動産の種類と価額、住宅の保有数、地域、移転の法的性質、および適用時点の地方税法によって、税率や重課の有無が異なる場合があります。地方教育税や農漁村特別税なども別途確認する必要があります。

事実婚関係が解消した場合でも、財産分与を請求できますか?

婚姻の実質と共同生活の意思が認められる事実婚であれば、判例上、財産分与を請求できます。単なる同居は事実婚と認められないことがあるため、共同生活の期間、経済共同体の運営、対外的な夫婦関係を立証する資料が重要です。

協議離婚をすると、財産分与も自動的に完了しますか?

いいえ。協議離婚の手続だけでは、財産は自動的に分与されません。別途合意がなければ、離婚した日から2年以内に財産分与を請求しなければならず、合意がある場合は、移転の対象と履行期限を具体的に記載する必要があります。

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