年末調整の更正の請求、5年の期限と還付申請方法
年末調整で控除や減免を申告し忘れ、所得税を多く納めた場合は、更正の請求によって訂正できます。5年の期限は、年末調整のみを行ったか、総合所得税の確定申告も行ったかによって、起算日が異なる場合があります。
- 更正の請求とは、すでに申告または確定した税額が正当な金額より多い場合に、減額と還付を求める手続きです。
- 給与所得の年末調整のみを行った場合と、総合所得税の確定申告を行った場合では、5年の期限の起算日が異なることがあります。
- 2021年分を総合所得税として申告した場合、一般的には2027年5月31日まで更正の請求を行えます。
- 家賃・医療費・寄付金については、支出の事実だけでなく、その年度の控除要件と適格な証明書類も併せて確認する必要があります。
- 申告漏れの所得により税金を少なく納めた場合は、更正の請求ではなく修正申告の対象となることがあります。
年末調整で控除や減免を漏らし、所得税を多く納めた場合は、更正の請求によって税額を再計算するよう求めることができます。ただし、すべての給与所得者の期限が一律に翌年5月31日となるわけではありません。年末調整によって納税が完了したのか、別途、総合所得税の確定申告を行ったのかによって、5年の起算日が異なることがあります。
更正の請求とは
更正の請求とは、すでに申告または確定した課税標準と税額が正当な金額より多い場合に、納税者が管轄税務署長に減額を求める制度です。年末調整で所得控除・税額控除・減免を申告し忘れ、所得税を多く納めた給与所得者も利用できます。
主な対象は次のとおりです。
- 家賃税額控除に必要な資料を会社へ提出しなかった場合
- 年末調整簡素化サービスで漏れていた医療費を後から確認した場合
- 適格な寄付金領収書を後から入手した場合
- 中小企業就業者所得税減免の申請を忘れた場合
- 扶養家族控除を適用しなかったものの、該当年度の要件を満たしていた場合
- 該当年度に適用される婚姻関連税額控除などの時限的控除を申告し忘れた場合
更正の請求は新たな優遇措置を申請する手続きではなく、該当課税年度にすでに満たしていた要件と支出を証明し、税額を正す手続きです。現在の控除要件を過去の年度にそのまま適用することはできません。
5年の期限の計算方法
国税基本法上、一般的な更正の請求期限は、法定申告期限が過ぎてから5年以内です。ただし、給与所得の年末調整によって納税義務が終了した人については、年末調整税額の納付期限などが基準となることがあります。
年末調整のみを行った場合
給与所得のみで、別途、総合所得税の確定申告を行っていない場合は、一般的に年末調整税額の納付期限を基準として5年を計算します。通常の日程では翌年3月10日が基準となりますが、支払調書の提出や税額の納付状況が一般的なケースと異なる場合は、税務署への確認が必要です。
たとえば、2021年分の給与所得を年末調整のみで完了した場合、一般的な更正の請求期限は2027年3月10日と考えることができます。
総合所得税の確定申告を行った場合
年末調整後、該当年度の所得について総合所得税の確定申告を行った場合は、その申告の法定期限を基準として更正の請求期限を計算します。通常、翌年5月31日が法定申告期限です。
したがって、2021年分を2022年5月に総合所得税として申告した場合、一般的に2027年5月31日まで更正の請求を行うことができます。
| 状況 | 一般的な基準日 | 2021年分の例 |
|---|---|---|
| 給与所得の年末調整のみ完了 | 年末調整税額の納付期限など | 2027年3月10日 |
| 総合所得税の確定申告を完了 | 確定申告の法定期限 | 2027年5月31日 |
休日による期限調整、申告履歴、支払調書の提出有無などにより、実際の期限が異なる場合があります。期限が迫っている場合は、ホームタックスで該当年度の申告履歴を確認するか、管轄税務署に正確な期限を問い合わせるのが安全です。
2020年分は、年末調整を基準とした場合も通常の総合所得税申告を基準とした場合も、2026年に5年の期限を過ぎています。ただし、判決の確定のように申告当時には予測できなかった後発的事由が生じた場合は、通常の更正の請求とは別の特例が適用される可能性があるため、個別の確認が必要です。
3月と5月のどちらに申告すべきか
翌年3月10日は、一般的に会社による年末調整関連税額の納付および支払調書の提出日程と関連する日付です。給与所得者は、会社の支払調書が提出された後、ホームタックスで更正の請求資料を照会できます。
まだ翌年5月の総合所得税確定申告期間中であれば、申告し忘れた控除を反映して給与所得申告を行う方法が一般的です。法定申告期限が過ぎた後は、更正の請求手続きを利用します。
| 現在の状況 | 一般的に検討する手続き |
|---|---|
| 翌年5月の確定申告期間の前後 | 総合所得税の給与所得申告 |
| 確定申告期限が過ぎ、税金を多く納めた | 更正の請求 |
| 所得を申告し忘れ、税金を少なく納めた | 修正申告または期限後申告を検討 |
| 税務署の決定や判決などの後発的事由が発生 | 後発的事由による更正の請求の要件を検討 |
申請前に確認すべき控除と証明書類
家賃税額控除
家賃税額控除では、賃貸借契約と実際の支払履歴を確認できなければなりません。一般的に次の資料を用意します。
- 住民登録謄本
- 賃貸借契約書の写し
- 口座振込履歴、無通帳入金証など、賃貸人に家賃を支払ったことを示す資料
総給与額、住宅の規模または基準時価、無住宅者であるかどうか、住所移転などの具体的な要件と控除率については、課税年度ごとの法令を適用します。単に家賃を支払ったという事実だけで控除が認められるわけではありません。
医療費税額控除
年末調整簡素化資料に表示されていない医療費については、医療機関から領収書の発行を受けて提出できます。しかし、健康保険が適用されない非給付医療費だからといって、すべてが控除されるわけではありません。美容・整形や健康増進を目的とする支出など、法律で除外されている項目があるため、治療目的であるか、控除対象に該当するかを確認する必要があります。
寄付金税額控除
寄付金については、適格団体が発行した領収書が必要です。宗教団体や非営利団体に支払った場合は、その団体が税法上の控除対象団体であるかも確認する必要があります。単なる入金履歴だけでは、寄付金控除が認められないことがあります。
中小企業就業者所得税減免
中小企業就業者減免は、すべての中小企業の給与所得者に自動的に適用される制度ではありません。給与所得者の年齢・経歴などの対象要件、会社の業種、就業日、減免期間をすべて満たす必要があります。会社が中小企業であるという事実だけで、減免が確定するわけではありません。
扶養家族関連の控除
扶養家族の所得金額、年齢、生計要件、およびほかの家族による重複控除の有無を確認する必要があります。同じ扶養家族について2人が同時に控除を受けた場合、かえって追加の税金が発生することがあります。
ホームタックスでの更正の請求手続き
ホームタックスの画面構成やメニュー名は改編されることがありますが、一般的な手続きは次のとおりです。
- ホームタックスに本人認証でログインします。
-
税金申告 > 総合所得税申告 > 給与所得申告 > 更正の請求関連メニューへ移動します。 - 更正の請求を行う帰属年度を選択します。
- 会社が提出した給与所得支払調書と既存の控除内容を読み込みます。
- 申告し忘れた所得控除・税額控除・減免項目を入力します。
- 賃貸借契約書、振込履歴、領収書などの証明書類を添付します。
- 還付を受ける口座と連絡先を確認してから提出します。
- ホームタックスの申告・請求履歴で、受付結果と処理状況を確認します。
会社を通さず、給与所得者が直接請求できます。ただし、支払調書が照会できない場合や申告の構成が複雑な場合は、管轄税務署に書面で提出するか、税務専門家による確認を受けることができます。
提出後の処理と地方所得税
税務署は請求内容と証明書類を審査し、税額を減額するかどうかを決定します。国税基本法上、更正の請求を受けた税務署長は、原則として請求日から2か月以内に決定するか、その結果を通知しなければなりませんが、事実関係の確認や資料の補完により、実際の還付時期は異なることがあります。
所得税が減額されると、それに連動する個人地方所得税も変わることがあります。国税の還付結果が地方自治体に連携されるかを確認し、必要であればウィタックスまたは管轄地方自治体で、地方所得税の還付・更正手続きを別途確認する必要があります。
間違いやすい事項
- 5月31日をすべての給与所得者の期限と断定しません。 年末調整のみを行った人には、別の基準日が適用されることがあります。
- 現在の控除要件を過去の年度に適用しません。 更正の請求は、各帰属年度当時の法令を基準として審査されます。
- 非給付医療費をすべて控除対象とはみなしません。 治療目的であるか、法定除外項目に該当するかを確認する必要があります。
- 会社や団体の名称だけを見て、減免・寄付金の要件を判断しません。 法定対象であることを証明する必要があります。
- 還付予想額を確定額と考えません。 既存の決定税額や源泉徴収税額、控除限度額により、実際の還付額は異なります。
- 所得の申告漏れを更正の請求で処理しません。 税金を少なく申告した場合は、修正申告など別の手続きを検討する必要があります。
要点整理
更正の請求は、年末調整で見落とした控除や減免を是正できる制度ですが、請求する権利が無期限に維持されるわけではありません。年末調整のみを行った場合は年末調整税額の納付期限などを、総合所得税の申告まで行った場合はその法定申告期限を基準として、5年を計算する必要があります。
申請前には、帰属年度ごとの申告履歴と適用法令を先に確認する必要があります。その後、控除要件を満たしていたことを示す契約書・領収書・振込履歴などを用意し、ホームタックスで提出するのが正確な手順です。
FAQ
更正の請求は、年末調整後いつから行えますか?
勤労所得支給明細書が提出され、年末調整に関する納付期限が過ぎた後に請求できます。通常は翌年3月10日以降が基準ですが、ホームタックスへの資料の反映時期や会社の提出状況によって、照会可能になる時期は異なる場合があります。
年末調整の更正の請求期限は、必ず翌年5月31日から5年間ですか?
いいえ。年末調整のみを行った給与所得者は、年末調整税額の納付期限などが基準となる場合があり、総合所得税の確定申告を行った人は、通常、翌年5月31日である法定申告期限を基準に計算します。
2021年分の年末調整は、いつまで更正の請求ができますか?
年末調整のみを行った場合は一般的に2027年3月10日まで、2021年分の総合所得税の確定申告を行った場合は一般的に2027年5月31日までです。個人の申告履歴と期限の変更の有無を確認する必要があります。
5年が過ぎると、申告し忘れた控除の還付を受けられませんか?
一般的な更正請求権は、原則として5年の期限が過ぎると行使することが困難です。ただし、判決の確定や課税官庁による別の処分など、法律で定められた後発的事由がある場合は、別途、更正の請求に関する特例を検討できます。
更正の請求は会社に依頼する必要がありますか?
必ずしも会社を通す必要はありません。給与所得者がホームタックスまたは管轄税務署を通じて直接請求でき、申告し忘れた控除の要件と証明資料は本人が用意する必要があります。
保険適用外の医療費は、すべて税額控除を受けられますか?
いいえ。保険適用外であるという理由だけで自動的に控除されるわけではなく、治療目的の控除対象医療費であるかを確認する必要があります。美容・整形や健康増進目的など、法定の除外項目は控除を受けられません。
家賃を口座振込で支払った場合、契約書がなくても控除を受けられますか?
口座振込の履歴だけでは、賃貸借関係と控除要件のすべてを確認することは困難です。一般的に、賃貸借契約書、住民登録謄本、家賃の支払証明を併せて用意する必要があります。
更正の請求をすると、申請した金額がすべて還付されますか?
いいえ。税務署が控除要件、証明資料、控除限度額、既存の決定税額を審査した後、還付の可否と金額を決定します。納付した決定税額がない場合や控除限度額を超える場合は、還付額が予想より少ない、または還付されないことがあります。
所得の申告漏れが判明した場合も、更正の請求をすればよいですか?
更正の請求は、税金を過大に納付した場合の減額手続きです。所得の申告漏れなどにより税金を少なく納付していた場合は、一般的に修正申告または期限後申告を検討する必要があります。
所得税が還付されると、地方所得税も自動的に還付されますか?
国税の更正結果が地方自治体に連携される場合がありますが、処理方法と時期は異なることがあります。ウィータックスまたは管轄の地方自治体で、個人地方所得税の還付または更正の状況を別途確認するのが安全です。
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