一目でわかる結論

ソウル市がモア住宅・モアタウンの規制を緩和した核心は、より高く、より多く、より速く建てられるようにすることだ。特に駅勢圏と幹線道路沿いのモアタウンは、準住居地域へ用途地域を引き上げる方式などを通じて、容積率を最大500%まで適用できる道が開かれた。

ただし、規制緩和がすぐにすべての事業地の着工と収益性改善を保証するわけではない。小規模整備事業は、土地等所有者の同意、工事費、金利、移住費、賃貸収益を放棄するかどうか、基盤施設負担に敏感だ。今回の措置は事業性を高める強力なインセンティブだが、実際の成否は事業地ごとの計算にかかっている。

モア住宅・モアタウンとは何か

モア住宅の意味

モア住宅は、老朽化した低層住宅地の複数の筆地をまとめ、ブロック単位で新しい住宅を建てるソウル型の小規模整備事業だ。全面撤去方式の大規模再開発が難しいヴィラ街、多世帯・多家口住宅の密集地、老朽低層住宅地が主な対象となる。

法的には、空き家および小規模住宅整備に関する特例法上の小規模住宅整備事業と接しており、自律住宅整備事業、街路住宅整備事業、小規模再開発など、類型別に要件が異なる。一般的な再開発より規模が小さく手続きが簡素な一方で、事業面積が小さいため収益性が低くなりやすいという特徴がある。

モアタウンの意味

モアタウンは、個別のモア住宅事業を複数箇所で推進できる老朽低層住宅地を、ひとつの管理単位としてまとめて整備するソウル市の政策だ。個別ブロックだけを別々に開発すると、道路、公園、駐車場、歩行動線、景観計画が断片化しかねないため、ソウル市が大枠の管理計画を立てる方式である。

運営者提供資料の基準では、モアタウンはおおむね10万㎡未満の小規模管理区域を前提に説明される。モア住宅は類型によって、1万〜2万㎡未満など、より小さな事業単位で推進される場合が多い。

なぜ規制緩和が必要だったのか

モア住宅・モアタウンは、大規模再開発が難しい低層住宅地を迅速に整備しようとする制度だ。しかし実際の現場では、次のような理由で事業のスピードが十分に出なかった。

  • 事業面積が小さく、一般分譲の戸数を多く作りにくい。
  • 地下駐車場、住民共同施設、移住費、設計費など固定費の負担が相対的に大きい。
  • 老朽建物と新築ヴィラが混在する地域は、所有者の利害関係が複雑だ。
  • 駅勢圏や商圏隣接地の所有者は既存の賃貸収益があり、整備事業への参加誘因が低い場合がある。
  • 工事費と金融費用が上がると、組合員の追加負担金が大きくなる。

結局、ソウル市は事業性が低く止まっている事業地に、容積率、階数、審議手続き、工事費削減インセンティブを提供し、推進力を高める方向を選んだのである。

今回の規制緩和の核心内容

区分 既存の問題 緩和の方向 期待効果
容積率 小規模事業地は分譲可能面積が小さく事業性が低い 駅勢圏・幹線道路沿いモアタウンの準住居地域への用途地域引き上げおよび条件付き最大500%適用 供給戸数の増加、組合員負担金の緩和可能性
階数 第2種一般住居地域の一部事業地は平均13階以下の制限により高密度開発が難しい 周辺の高用途地域に隣接、ブロック単位での推進など条件充足時に中高層を許容 マンション団地型整備の可能性拡大
住民共同施設 狭い敷地で地下設置が増え、工事費が上昇 地上階設置時に容積率上の不利益を減らすインセンティブ 地下工事費の削減、コミュニティ施設のアクセス性改善
審議手続き 景観・交通・教育などの審議が分散すると期間が長くなる 複数の審議を統合して処理する方向 許認可期間短縮の可能性

容積率500%がなぜ重要なのか

容積率は、敷地面積に対する建築物延べ面積の比率だ。例えば敷地面積が10,000㎡で容積率が300%なら、容積率算定対象の延べ面積は単純計算で30,000㎡になる。容積率が500%なら50,000㎡まで増える。

運営者提供資料によると、一般的な駅勢圏モアタウンの土地は第3種一般住居地域として最大容積率300%が適用される場合が多い。今回の緩和で準住居地域へ用途地域が引き上げられると、まず400%水準の容積率を受けることができ、一部住宅をLHやSHが買い取る賃貸住宅として提供する条件を満たせば、準住居地域の最大値である500%まで適用され得る。

単純な比率で見ると、300%から500%に上がる時、容積率算定延べ面積は約1.67倍になる。ただし、これがすぐに住宅数1.67倍増を意味するわけではない。専有面積の構成、共用面積、駐車場、寄付採納、賃貸住宅比率、建築審議条件によって、実際の一般分譲戸数は変わる。

階数緩和の意味

第2種一般住居地域は、中層住宅地を前提とした用途地域だ。一部地域では平均13階以下のような高さ制限が適用され、事業性が低く、団地形態が曖昧になる問題があった。

今回の緩和は、すべての第2種一般住居地域に一律で超高層開発を認めるという意味ではない。周辺に用途地域が高い場所と接していたり、複数の筆地をまとめてブロック単位で整備し、都市計画的な整合性がある場合に中高層マンションを認め得るという趣旨として理解すべきだ。

階数が高くなれば、同じ敷地でより多くの住宅を供給でき、棟配置と緑地・歩行空間をより柔軟に計画できる。反対に、日照、眺望、交通量、学校需要、基盤施設負担はより細密に検討しなければならない。

地下工事費削減インセンティブ

小規模整備事業は敷地規模が小さいため、駐車場と住民共同施設を地下に入れる設計が多い。しかし地下階は、土留め、掘削、防水、換気、排水、構造補強の費用が大きく、工事費を大きく押し上げる可能性がある。

住民共同施設を地上階に設置しても容積率上の損失を減らすインセンティブは、事業費削減に直接役立つ。また、地上コミュニティ施設は、子ども、高齢者、障害者など移動弱者のアクセス性の面でも有利になり得る。

再開発・再建築との違い

項目 モア住宅・モアタウン 一般再開発 再建築
主な対象 老朽低層住宅地、ヴィラ・多世帯密集地 基盤施設が劣悪な老朽住宅地 老朽共同住宅団地
規模 比較的小規模 中大型区域が多い 団地単位が一般的
長所 手続きが相対的に簡素で迅速な推進が可能 基盤施設の改善幅が大きい 既存団地所有者の構造が比較的明確
弱点 事業性が低く利害調整が難しい場合がある 区域指定と補償・移住期間が長くなり得る 安全診断、超過利益、組合葛藤などの変数が存在
今回の緩和の焦点 容積率・階数・審議・工事費負担の緩和 直接の対象ではない 直接の対象ではない

利害関係者別の影響

土地等所有者と組合員

容積率が高くなれば一般分譲戸数が増え、組合員負担金を下げられる可能性がある。しかし、既存建物から安定した賃貸収益を得ている所有者は、整備事業への参加を負担に感じる場合がある。移住期間中は賃貸収益が途絶え、追加負担金や税金の問題が発生し得るためだ。

賃借人

住環境の改善は長所だが、事業推進過程では移住と賃料上昇の問題が生じ得る。モアタウンが住宅供給政策として評価されるには、既存賃借人の保護、公共賃貸の確保、移住支援の実効性もともに重要だ。

ソウル市と公共機関

ソウル市は、大規模再開発だけでは供給を増やしにくい低層住宅地に整備手段を提供できる。LHとSHが買入賃貸住宅を確保すれば、駅勢圏と生活圏内で公共賃貸のストックを増やす効果も期待できる。

近隣住民

新しい住宅、歩行環境、駐車場、公園・コミュニティ施設は肯定的だ。一方で、工事期間中の騒音、交通混雑、日照権をめぐる葛藤、学校需要の増加は地域対立の原因になり得る。

なお残るリスク

  1. 工事費リスク: 坪当たり工事費が大きく上がった環境では、容積率インセンティブがあっても負担金が高く残る可能性がある。
  2. 金利リスク: 金利が上がると、移住費、事業費融資、ブリッジローンなど金融費用が増加する。
  3. 同意率リスク: 小規模事業は、1〜2筆地の反対でも事業計画に大きな影響を与え得る。
  4. 立地別格差: 駅勢圏・幹線道路沿いは恩恵が大きいが、内部の裏通り地域はインセンティブの実感が小さい場合がある。
  5. 基盤施設リスク: 高密度開発は、交通、教育、下水、駐車、公園など都市インフラ負担を伴う。

事業性を見る時に確認すべき指標

モア住宅・モアタウンへの参加可否を判断する時は、単に最大容積率だけを見るのではなく、次の指標もあわせて確認しなければならない。

  • 現在の用途地域と用途地域引き上げの可能性
  • 駅勢圏または幹線道路沿いに該当するかどうか
  • 適用可能な容積率と実際に建築可能な延べ面積
  • 組合員数と権利価額の分布
  • 一般分譲可能戸数と予想分譲価格
  • 公共賃貸または買入賃貸の提供条件
  • 予想工事費、設計費、金融費用、移住費
  • 寄付採納・公共施設設置負担
  • 近隣学校・道路・交通影響の検討結果
  • 事業に反対する所有者の比率と理由

政策的に重要な評価基準

今回の緩和は、ソウルの住宅供給拡大の面で意味がある。特に全面再開発が難しい老朽低層住宅地を対象に、供給の余地を広げるという点で実用的な政策手段だ。

しかし良い政策になるには、単に戸数を増やすだけにとどまってはならない。高密度化に伴う基盤施設負担、公共賃貸の品質、地域コミュニティの維持、賃借人保護、都市景観をともに管理しなければならない。事業性が改善されても、実際の居住品質が低下すれば、長期的な都市競争力には役立たない。

核心整理

ソウル市のモア住宅・モアタウン規制緩和は、小規模整備事業の最大の弱点である低い事業性を補完しようとする措置だ。容積率最大500%、階数緩和、住民共同施設インセンティブ、統合審議はいずれも供給量と速度に影響を与え得る。

しかし市場環境はなお厳しい。工事費と金利、所有者の同意、既存の賃貸収益、基盤施設負担が事業地ごとに異なるためだ。したがって今回の緩和は、すべての区域における即時の開発シグナルというより、立地が良く利害調整が可能なモアタウンの推進可能性を高める政策変化として解釈するのが正確だ。