概要
食品医薬品安全処が「食品等の表示基準」を改正・告示したことにより、「デカフェ」コーヒーの表示基準がより明確になります。核心は、単にカフェインをどれだけ除去したかではなく、原料として使用したコーヒー豆に実際にどれだけカフェインが残っているかを基準にするという点です。
改正基準によると、原料として使用したコーヒー豆の残留カフェイン含有量が固形分基準で0.1%以下の場合に限り、「脱カフェイン」「デカフェ」または「脱カフェイン豆使用」「デカフェ豆使用」といった表示をすることができます。
また、酒類と一般食品がコラボレーションした製品は、消費者が酒であることを容易に認識できるよう、主表示面に**「酒」または「酒類」という文言を表示しなければなりません。改正基準の施行日は2028年1月1日**です。
何が変わりますか?
デカフェ表示基準の主な変更点
従来の基準は、「カフェインを90%以上除去したか」に焦点を当てていました。しかし、豆自体のカフェイン含有量が高ければ、90%以上を除去しても、残っているカフェイン量が消費者の期待より多い場合があります。
新基準はこうした限界を減らすため、残留カフェイン含有量基準を導入します。つまり、製品に使用されたコーヒー豆をデカフェと表示するには、残っているカフェインの割合が固形分基準で0.1%以下でなければなりません。
| 区分 | 従来基準 | 改正基準 |
|---|---|---|
| 判断方式 | カフェイン除去率中心 | 残留カフェイン含有量中心 |
| デカフェ表示が可能な条件 | カフェイン90%以上除去 | 原料コーヒー豆の残留カフェイン含有量が固形分基準で0.1%以下 |
| 消費者の観点での意味 | 除去率が高くても実際の残留量が相対的に高い場合がある | 「カフェインがほとんどないコーヒー」という期待により近い基準 |
| 施行日 | 従来適用 | 2028年1月1日から義務適用 |
「固形分基準で0.1%以下」とは何ですか?
「固形分基準」とは、水分などを除いた固体成分を基準に含有量を計算するという意味です。コーヒー豆やコーヒー抽出物のように水分含有量が変わり得る食品では、単純な重量基準よりも固形分基準のほうが成分含有量の比較に適している場合があります。
今回の改正でいう基準は、次のように理解できます。
- 対象:原料として使用したコーヒー豆
- 成分:残留カフェイン
- 基準:固形分基準で0.1%以下
- 表示可能な表現:「脱カフェイン」「デカフェ」「脱カフェイン豆使用」「デカフェ豆使用」など
ただし、消費者が飲む一杯のコーヒーに含まれる実際のカフェイン量は、豆の使用量、抽出方法、飲料の容量、製造方法によって変わる場合があります。したがって、新基準は表示の基本要件を明確にするものであり、すべてのデカフェ飲料のカフェイン含有量が完全に同一であるという意味ではありません。
なぜ基準を変更するのですか?
1. 消費者の期待と表示基準の差を縮めるため
多くの消費者は「デカフェコーヒー」を、カフェインがほとんどない、または非常に少ないコーヒーとして理解しています。しかし従来の「90%以上除去」基準は、もともと豆に含まれていたカフェイン量がどれほど多かったかによって、最終的な残留量が変わる可能性がありました。
例えば、もともとのカフェイン含有量が高い豆であれば、高い除去率を適用しても、最終的に残るカフェインが相対的に多くなる場合があります。そのため消費者の立場では、「デカフェ」という表示だけを見て期待した水準と実際の摂取量との間に差が生じる可能性がありました。
2. 表示の客観性を高めるため
新基準は、「どれだけ除去したか」よりも「どれだけ残っているか」を直接確認する方式です。これは表示基準をより客観的にし、製品間の比較可能性を高める効果があります。
3. カフェインに敏感な消費者の保護に役立てるため
妊婦、授乳中の人、青少年、カフェインに敏感な人、睡眠障害のある人などは、カフェイン摂取量をより慎重に管理できます。デカフェ表示基準が明確になれば、こうした消費者が製品を選ぶ際の誤解を減らすのに役立ちます。
どのような表現が影響を受けますか?
改正基準は、デカフェと同じ意味で消費者に伝わり得る表示表現に適用されます。
代表的には、次のような表現が該当する場合があります。
- 脱カフェイン
- デカフェ
- 脱カフェイン豆使用
- デカフェ豆使用
つまり、製品名や包装表示で、消費者が「カフェインを除去したコーヒー」と認識し得る表現を使用するには、当該豆が新基準を満たしていなければなりません。
消費者が知っておくべき点
デカフェは「カフェイン0」と同じではありません
デカフェは一般的にカフェインを除去した、または低減したコーヒーを意味しますが、必ずしもカフェインがまったくないという意味ではありません。今回の改正も「0%」基準ではなく、「固形分基準で0.1%以下」という基準です。
カフェインに非常に敏感な人は、製品表示、事業者が提供する情報、栄養・成分案内をあわせて確認することが望ましいです。
施行前の製品は従来基準に従って表示される場合があります
新基準の施行日は2028年1月1日です。施行前までは、従来基準に従って表示された製品が流通する場合があります。ただし、事業者は新基準を自主的に先行適用することができます。
店舗飲料の実際のカフェイン含有量は製造条件によって変わる場合があります
デカフェ豆を使用していても、飲料の実際のカフェイン摂取量は次の要素の影響を受ける場合があります。
- 豆の投入量
- 抽出時間
- 抽出方法
- 飲料の容量
- ショット数
- ブレンドの有無
したがって、カフェイン制限が必要な消費者は、「デカフェ」表示だけを見るのではなく、可能であれば店舗または製造者のカフェイン含有量情報を確認することが安全です。
事業者が確認すべき点
食品製造・加工業者、コーヒー豆輸入・流通業者、カフェフランチャイズ、即席販売製造・加工業者などは、新基準に合わせて表示と原料管理を点検する必要があります。
チェックリスト
| 点検項目 | 確認内容 |
|---|---|
| 原料基準 | デカフェとして表示する豆の残留カフェイン含有量が固形分基準で0.1%以下か確認 |
| 表示文言 | 「デカフェ」「脱カフェイン」「デカフェ豆使用」など関連表現が基準に合っているか確認 |
| 証明資料 | 豆供給会社の試験成績書、原料規格書など確認可能な資料を管理 |
| 包装材 | 2028年の施行日に合わせて包装材の文言変更が必要か検討 |
| 店舗案内 | メニュー表、オンライン販売ページ、デリバリーアプリの商品名など表示媒体を一括点検 |
| 早期適用 | 施行日前の自主適用の有無を検討 |
酒類コラボ製品の表示も変わります
今回の改正には、コーヒー基準のほか、酒類と一般食品のコラボレーション製品の表示基準も含まれました。最近、酒類ブランドと菓子、アイスクリーム、飲料、簡便食などがコラボレーションした製品が発売され、消費者が当該製品を酒なのか一般食品なのか混同する可能性が指摘されてきました。
今後、酒類コラボ製品は、消費者が容易に認識できるよう、主表示面に**「酒」または「酒類」**という文言を表示しなければなりません。
主表示面とは?
主表示面とは、消費者が製品を購入する際に最初に目にする包装の主要な表示面を指します。一般的には、製品名、ブランド名、主要画像が配置される前面がこれに該当します。
この基準は、消費者の誤認を減らし、特に未成年者や非飲酒消費者が製品の性格をより明確に把握できるよう助けることに意味があります。
施行日と適用スケジュール
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 改正内容 | デカフェコーヒー表示基準および酒類コラボ製品表示基準の整備 |
| 義務施行日 | 2028年1月1日 |
| 早期適用 | 事業者別に自主適用可能 |
| 消費者への影響 | デカフェ表示の信頼性と酒類製品の識別可能性向上 |
| 事業者への影響 | 原料基準の確認、表示文言の整備、包装材・オンライン表示の管理が必要 |
まとめ
今回の改正の核心は、食品表示を消費者の一般的な期待により合うものにすることです。デカフェコーヒーは今後、単純な除去率ではなく、実際の残留カフェイン含有量を基準に表示できるようになります。また、酒類コラボ製品は「酒」または「酒類」表示を通じて、製品の性格をより明確に知らせなければなりません。
消費者は2028年以降、デカフェ表示をより明確な基準のもとで理解でき、事業者は施行日前までに原料の証明と表示文言を体系的に点検しなければなりません。