腎臓は再吸収と排泄を調節し、血液中の電解質を正常範囲に保ちます。尿細管は必要な物質を血液に戻す通路です。この調節には、ほかの臓器から伝わるホルモンのシグナルが関与します。
基本的な機能の説明は、2018年6月にレビューされたNIDDKの案内文に基づいています。
腎臓による電解質の調節とは何ですか?
腎臓による電解質の調節とは、体内に残す量と尿として排出する量のバランスを取る働きです。電解質は、体液中で電荷を帯びる成分です。ナトリウム、カリウム、カルシウムなどが該当します。
これらの成分のバランスは、神経や筋肉が正常に働くために必要です。体内の状態を一定の範囲に保つ性質を恒常性といいます。腎臓は水分と電解質の恒常性を担う主要な臓器です。基本的な説明は、NIDDKの腎機能に関する案内文で確認できます。
研究者が腎臓模型を指し、ネフロンでの電解質の移動と再吸収を説明している。
再吸収・分泌・排泄の比較
再吸収と分泌は、物質が移動する方向が互いに異なる過程です。腎臓の基本的な機能単位はネフロンです。ネフロンは、血液をろ過する糸球体と、ろ過液を処理する尿細管で構成されます。
| 過程 | 物質が移動する方向 | 意味 |
|---|---|---|
| ろ過 | 糸球体の血液から尿細管につながる空間へ | 水分や小さな物質を血液からろ過 |
| 再吸収 | 尿細管内から血液側へ | ろ過された物質を体内に戻す |
| 分泌 | 血液側から尿細管内へ | 尿になる液体に物質を追加 |
| 排泄 | 腎臓で作られた尿を通じて体外へ | 最終的に体外へ排出 |
ろ過された物質がすべて体外へ出るわけではありません。尿細管は、ろ過された水分と必要な成分のかなりの部分を回収します。残った液体が尿になります。この流れは、NIDDKのネフロンに関する説明に示されています。
したがって、ある成分の排泄量は、ろ過量だけで決まるわけではありません。再吸収を減らすと、尿に残る量が増えることがあります。カリウムのように、尿細管へ分泌される量も調節される成分があります。分泌の役割は、OpenStaxの体液調節に関する説明で確認できます。
腎臓は体の状態をどのように把握しますか?
腎臓は、ホルモンや神経からのシグナル、局所的な感知作用に反応します。ホルモンは、血液を通って移動する化学的なシグナルです。腎臓へ流れる血液の変化も、調節を始める手がかりになります。
臓器間の情報網という表現は、このような生理作用を説明する比喩です。すべての臓器が、成分ごとの不足量を直接報告する仕組みではありません。異なるシグナルが、腎臓の処理方法にともに影響します。
脳と副腎のホルモン
脳と副腎のホルモンは、腎臓による水分と電解質の処理を変えます。抗利尿ホルモンは、腎臓で水分の再吸収を増やすシグナルです。このホルモンは、脳の視床下部で作られます。血液中へ放出される場所は、下垂体後葉です。Society for Endocrinologyの抗利尿ホルモンに関する説明
副腎から分泌されるアルドステロンは、ナトリウムの再吸収を増やします。カリウムが尿へ排泄されるのを促すことも、このホルモンの作用です。同じシグナルでも、成分によって処理の方向は異なります。Society for Endocrinologyのアルドステロンに関する説明
心臓と肝臓のつながり
心臓と肝臓も、腎臓による体液調節につながっています。心臓から分泌されるナトリウム利尿ペプチドは、ナトリウムの排泄を促します。これは、体内に残るナトリウムと水分の量を減らす方向のシグナルです。
肝臓は、アンジオテンシノーゲンというタンパク質を作ります。腎臓から分泌されるレニンは、このタンパク質を切断する酵素です。この反応から始まる経路は、ナトリウムの保持を促します。このつながりは、Society for Endocrinologyのアンジオテンシンに関する説明に示されています。
骨・副甲状腺・腸のつながり
カルシウムとリンのバランスには、腎臓、骨、副甲状腺、腸がともに関与します。副甲状腺は、首にある小さな内分泌腺です。血中カルシウムが低下すると、副甲状腺ホルモンの分泌が増えます。
副甲状腺ホルモンは、腎臓でのカルシウムの再吸収を増やします。リン酸塩の再吸収は減らす方向に働きます。リンは、体内では主にリン酸塩の形で存在します。
腎臓は、ビタミンDを活性型に変える役割も担います。活性型ビタミンDは、腸でのカルシウム吸収を助けます。このつながりは、OpenStaxのカルシウムとリン酸塩の調節に関する説明にまとめられています。
骨もホルモンを作る臓器です。骨で作られるFGF23は、リンの代謝調節に関与します。関連する内容は、NIDDKの腎臓病に伴うミネラル・骨障害に関する案内文で確認できます。