停電時の冷蔵庫の4時間保存と再冷凍と廃棄の基準
扉を閉めた冷蔵庫は約4時間、満杯の冷凍庫は約48時間保冷される。食品を再冷凍するか廃棄するかは、実際の温度とその温度にさらされた時間、氷の結晶、汚染の有無で判断する。
扉を閉めた冷蔵庫の保冷時間の目安は約4時間である。
冷凍庫の保冷時間の目安は、満杯なら約48時間、半分ほど入っていれば約24時間である。
リスクの高い食品が4°Cを超える状態で2時間以上置かれていた場合は廃棄する。
氷の結晶が残っているか、4°C以下の冷凍食品は、品目によっては再冷凍できる。
においが正常という理由で食品の安全性を判断することはできない。
停電中、扉を閉めた冷蔵庫の保冷時間は約4時間だ。冷凍庫は中身がいっぱいなら約48時間、半分なら約24時間だ。再冷凍・廃棄は食品の温度と解凍状態で判断する。
主な保存の数値は、FoodSafety.govの2024年8月8日見直し済みの表に基づく。
停電時の冷蔵庫と冷凍庫の保存時間の比較
保冷時間は、停電前に適正な温度で保存していたことを前提とした推定値だ。扉を閉めたままにしておくという条件もある。すべての食品の安全をその時間まで保証する数値ではない。
保存場所 | 扉を閉めた場合の推定保冷時間 | 判断時の注意点
冷蔵庫 | 約4時間 | 保冷が途切れた高リスク食品を優先して確認
中身がいっぱいの冷凍庫 | 約48時間 | 食品ごとに氷の結晶と温度を確認
中身が半分の冷凍庫 | 約24時間 | いっぱいの場合の時間を適用しない
扉を開けると冷たい空気が逃げる。停電中は、逃げた冷気を電力で補えない。凍った食品や水の入ったボトルは、内部の温度上昇を遅らせるのに役立つ。保冷時間の前提条件は、FoodSafety.govの停電時の案内に明記されている。
冷蔵4時間と温度曝露2時間の違い
4時間は停電からの経過時間であり、2時間は食品が温まった状態の継続時間だ。FoodSafety.govの災害時の案内では、4°Cを超える状態が2時間以上続くことを廃棄基準としている。この基準は、肉類・魚・卵・残り物などの高リスク食品に適用する。
基準 | 時間を数える条件 | 意味
約4時間 | 適正な冷蔵状態で停電が発生 | 扉を閉めた冷蔵庫の推定保冷時間
2時間以上 | 高リスク食品が4°Cを超える | 廃棄判断に用いる温度曝露時間
1時間以上 | 高リスク食品が32°Cを超える暑い環境にさらされる | 室温に出した食品に適用する短縮基準
停電から4時間後に、さらに2時間を足してよいという意味ではない。温度の記録がなく、冷蔵庫の保冷が4時間以上途切れた場合は、高リスク食品を廃棄する。氷で低温を維持し続けた場合は、実際の保存温度を確認する。数値の摂氏表記は、FoodSafety.govの災害時の案内に従う。
食品の種類別の保存・廃棄基準
肉類や乳製品だけでなく、炊いたご飯や切った野菜も廃棄対象になり得る。以下の表は、保冷できずに温度・時間の基準を超えた冷蔵食品の分類だ。浸水や肉汁による汚染がある場合は、別途判断する必要がある。
食品の種類 | 代表的な食品 | 判断
肉類・魚介類 | 生肉、鶏肉、魚、調理済みの魚介類 | 廃棄
冷蔵の乳製品 | 牛乳、ヨーグルト、クリーム、ソフトチーズ | 廃棄
卵・調理済み食品 | 冷蔵の卵、卵料理、スープ、チゲ | 廃棄
加熱済みのでんぷん質食品 | ご飯、パスタ、加熱済みのじゃがいも | 廃棄
下処理済みの農産物 | カットフルーツ、カット野菜、パック入りサラダ | 廃棄
一部の油脂・チーズ | バター、マーガリン、塊のハードチーズ | 保存可能な品目
丸ごとの農産物・一般的なパン | 切っていない果物・野菜、クリームの入っていないパン | 保存可能な品目
チーズは種類や加工形態によって判断が異なる。細かく切ったチーズは、塊のハードチーズと同じ基準では扱わない。詳しい品目は、FoodSafety.govの食品別判断表で区分されている。
条件別の整理:冷凍食品を再び凍らせられる場合
再冷凍は、解凍されたかどうかだけで決めない。食品に氷の結晶が残っているか、温度が4°C以下であれば可能な場合がある。ただし、アイスクリームのように別の基準がある品目は除く。
確認された状態 | 判断 | 追加条件
氷の結晶が残っている肉・魚 | 再冷凍可能 | ほかの汚染がないこと
完全に解凍されたが4°C以下に保たれた肉 | 再冷凍可能 | 低温が維持されていたことを確認できること
高リスク食品が4°Cを超える状態で2時間以上経過 | 廃棄 | 再び凍らせて保存しない
解凍されたアイスクリーム・フローズンヨーグルト | 廃棄 | 一般的な再冷凍条件を適用しない
完全に解凍され、温度履歴も不明確 | 安全を確認できなければ廃棄 | 代わりににおいで判断しない
再冷凍が可能ということは、元の品質が保たれるという意味ではない。解凍の過程で水分が抜け、食感が変わることがある。USDAは、冷蔵庫で解凍した食品の再冷凍と品質低下を区別している。根拠は、USDAの冷凍・食品安全の案内に示されている。
通常の解凍方法による再冷凍の比較
適正な冷蔵解凍と常温での放置は、同じ条件ではない。冷水や電子レンジで解凍した食品は、再冷凍前に調理する。このルールは、不適切に放置した食品の安全性を調理によって回復できるという意味ではない。
解凍方法 | 再冷凍の判断
適正な冷蔵温度で解凍 | 適切な保存期間内であれば、調理せずに再冷凍可能
冷水で解凍 | 解凍直後に調理してから冷凍
電子レンジで解凍 | 解凍直後に調理してから冷凍
台所で常温のまま放置 | 推奨される解凍方法ではなく、温度・時間の基準で判断
解凍方法別の条件は、USDAの安全な解凍の案内に従う。
停電が2~3時間の場合の判断例
2~3時間の停電だけで、冷凍食品をすべて廃棄する理由はない。扉を閉めていれば、冷凍庫の一般的な推定保冷時間より短い。ただし、停電前の温度と食品ごとの解凍状態が判断の前提となる。
同じ停電時間で確認された状況 | 判断
扉を閉めており、肉に氷の結晶が残っている | 汚染がなければ冷凍保存を続けられる
冷凍食品は解凍されたが、4°C以下に保たれていたことが確認できる | 品目別の再冷凍条件を適用
高リスク食品を取り出し、4°Cを超える状態で2時間以上置いた | 停電が短くても廃棄
停電前から冷蔵庫が十分に冷えていなかった | 4時間という推定値をそのまま適用できない
これは、保存基準を状況別に適用した例だ。実際の家庭で測定した実験結果ではない。停電時間が同じでも、食品がさらされた温度は異なることがある。
電力復旧後に冷えた食品の温度履歴
電力復旧からかなり時間がたった後の温度だけでは、停電中の状態を証明できない。食品は電気が戻ると再び冷えることがある。そのため、復旧直後の確認と、時間がたってからの確認は区別する必要がある。
この区別は、各機関が電力復旧時点での温度確認を求めていることから導かれる。すでに長時間温まっていた事実が確認されている場合、現在の温度でその事実を無効にはできない。再びできた氷の結晶も、過去の不適切な保存を帳消しにはできない。
判断に役立つ記録は次のとおりだ。
· 停電開始時刻と電力復旧時刻
· 電力復旧直後に確認した食品の温度
· 確認時に残っていた氷の結晶
· クーラーボックスに移した時点と保冷状態
· 扉を長時間開けていた、または食品を外に置いていた事実
浸水と肉汁による汚染は時間より先に判断
洪水で汚染された食品は、冷たく保たれていても食べられない。生肉の肉汁がほかの食品に触れた場合も、別の汚染に当たる。保冷時間の表は、こうした汚染を取り除くものではない。
汚染の状況 | 判断
食品そのものに洪水の水が触れた、または触れた可能性がある | 廃棄
牛乳パック・紙の包装が浸水した | 廃棄
ねじ式のふたの容器が洪水の水に浸かった | 密閉されて見えるという理由で保存しない
損傷のない市販の金属缶詰・レトルト包装の外側が汚染された | 公的な洗浄・消毒手順に従って別途判断
そのまま食べる食品に生肉の肉汁が触れた | 廃棄
缶詰の例外は、一般的なおかずの保存容器には適用されない。冷蔵庫自体が浸水した場合は、機器と内部の表面も問題になる。包装別の処理基準は、FDAの暴風雨・浸水後の食品安全の案内に記載されている。
停電前の準備とクーラーボックスの使用手順
温度計と事前に凍らせた保冷剤は、保冷と事後の判断の両方に役立つ。普段の冷蔵庫は4°C以下に保つことが基準だ。冷凍庫の通常の保存基準は-18°C以下だ。
· 冷蔵庫と冷凍庫に庫内温度計を用意する。
· 保冷剤と、水を入れた冷凍用容器をあらかじめ凍らせる。
· 冷凍食品をまとめて置き、空いた場所に凍らせた水のボトルを配置する。
· すぐに食べない冷蔵の肉類などは、停電前に冷凍する。
· 長時間の停電が予想される場合は、クーラーボックスと氷を用意する。
· 食品が温まる前にクーラーボックスへ移す。
· クーラーボックス内の食品も4°C以下に保つ。
クーラーボックスに入れたという事実だけでは、保冷できていたことの証明にはならない。氷が溶けたら、冷やすものを追加する必要がある。準備項目は、FDAの停電への備えに関する案内に基づいて整理した。
よくある間違い:におい・加熱・消費期限で安全を判断
においが正常でも、食品が安全だとは判定できない。少し味見する方法も、安全を確認する方法ではない。FoodSafety.govの「Food Safety During Power Outage」には、次のように明記されている。
食品の安全性を判断するために、決して味見をしないでください。
· においが大丈夫なので食べる: 病原性微生物の危険性をにおいで否定することはできない。
· 煮沸すればよいので保存する: 冷蔵管理が適切でなかった食品は、十分に加熱しても病気を引き起こすことがある。
· 消費期限が残っているので食べる: 表示された保存条件を守ったか、先に確認する必要がある。
· 一度解凍されたらすべて捨てる: 低温が維持されていたことを確認できれば、再冷凍可能な品目がある。
· 48時間までは冷凍食品がすべて安全だ: 扉を閉めた、中身がいっぱいの冷凍庫の推定値だ。
加熱だけでは不適切な保存を補えないことは、FDAも説明している。冷蔵庫全体をひとつの状態として判断してもいけない。最終的な判断の単位は個々の食品だ。
よくある質問
停電時の食品の判断には、時間と温度、品目をあわせて見る必要がある。冷蔵室の基準と冷凍室の基準は、互いに代用できない。以下の質問は、実際の判断でよく混同される条件を整理したものだ。
停電から3時間後、冷蔵していた牛乳を飲んでもよいか?
停電前に適正に冷蔵し、扉を閉めていたなら、一般的な保冷時間の範囲内だ。牛乳を外に出していた場合、その条件は適用されない。温度上昇が確認された場合は、曝露時間を別途判断する。
冷凍庫の中身が半分だと、なぜ時間が短くなるのか?
凍った中身が少ないと、温度上昇を遅らせる冷却源が減る。公式の推定保冷時間は、中身が半分の冷凍庫で約24時間だ。中身がいっぱいの冷凍庫は約48時間だ。
肉が完全に解凍されても再冷凍できるか?
ずっと4°C以下に保たれていたなら、再冷凍が可能な場合がある。現在冷たいという事実だけで、過去の温度を断定することはできない。水分が失われることで品質は変わることがある。
アイスクリームに氷が残っていれば大丈夫か?
アイスクリームには一般的な再冷凍のルールを適用しない。FoodSafety.govの判断表は、解凍された状態のアイスクリームを廃棄に分類している。フローズンヨーグルトも同じ分類だ。
冷蔵庫の食品をすべて捨てなければならないか?
すべての食品に同じ廃棄基準があるわけではない。バターや丸ごとの果物などは、保存可能な品目に含まれる。浸水やほかの汚染がある場合、この例外は適用できない。
温度計がなければ、手で触って確認してもよいか?
手で冷たく感じることは、実際の温度測定の代わりにはならない。冷凍食品は、包装ごとに残っている氷の結晶を確認できる。高リスク食品の安全を確認する根拠がなければ廃棄する。
消費期限が残っていても捨てなければならないか?
保存条件から外れた場合、消費期限だけで安全を判断することはできない。停電中の温度曝露基準を先に適用する。開封の有無と汚染状態も別途確認する。
ベランダや屋外に置けば保冷できるか?
屋外は温度変化や汚染があるため、安定した冷蔵場所ではない。寒い日でも、日光で食品が解凍されることがある。氷と温度計を備えたクーラーボックスで管理するほうが適切だ。