年末調整で控除や減免を申告し忘れ、所得税を多く納めた場合は、更正の請求によって税額を訂正できます。ただし、すべての支出が控除されるわけではなく、一般的な請求権は法律で定められた期間を過ぎると消滅します。
更正の請求とは
更正の請求とは、納税者が申告した、または年末調整によって確定した税額が正当な税額より多い場合に、管轄税務署へ税額の減額を求める手続きです。請求が認められて税額が減額されると、すでに納付した金額との差額が還付されます。
給与所得者は、次のようなケースを確認できます。
- 年末調整時に適用可能な所得控除や税額控除を申告し忘れた場合
- 控除の証明資料を会社に提出できなかった場合
- 適用対象だったものの、中小企業就業者に対する所得税減免などを反映できなかった場合
- 扶養家族情報や支出額を誤って入力し、税金を多く納めた場合
反対に、控除を過大に適用して税金を少なく納めていた場合は、更正の請求ではなく修正申告または追加納付が必要となる可能性があります。
いつまで請求できるか
国税基本法上、一般的な更正の請求期限は、法定申告期限の経過後5年以内です。単純に税金を納付した日の翌日から計算するわけではありません。
給与所得の年末調整で申告し忘れた控除は、翌年5月の総合所得税確定申告に反映できます。この期間にも反映できなかった場合は、確定申告の法定期限が過ぎた後に更正の請求を利用できます。
| 帰属年度 | 総合所得税の法定申告期限 | 通常の更正の請求期限 |
|---|---|---|
| 2020年 | 2021年5月31日 | 2026年5月31日 |
| 2021年 | 2022年5月31日 | 2027年5月31日 |
| 2022年 | 2023年5月31日 | 2028年5月31日 |
| 2023年 | 2024年5月31日 | 2029年5月31日 |
| 2024年 | 2025年5月31日 | 2030年5月31日 |
この表は、一般的な給与所得の年末調整事例を基準としたものです。最終日が祝日である場合や、個別の申告期限が延長された場合は、実際の期限が異なることがあるため、ホームタックスまたは管轄税務署で確認する必要があります。
2020年帰属分は、一般的な5年間の更正の請求期間が2026年に終了しました。これは還付額が自動的に発生して消滅するという意味ではなく、通常の更正請求権を行使できる期間が終了したという意味です。
判決の確定や取引の取消しなど、法律で定められた後発的事由が後になって発生した場合は、別途の更正の請求期間が適用されることがあります。単に控除について後から知ったという事情だけで、後発的事由による更正の請求が認められるわけではありません。
見落としやすい控除と減免
月家賃税額控除
月家賃税額控除は、賃貸借契約や口座振込履歴などがすべて自動的に反映される項目ではありません。該当する帰属年度の無住宅要件、総給与額基準、住宅要件、住民登録上の住所など、法定条件を満たす必要があります。
主に準備する資料は次のとおりです。
- 住民登録謄本
- 賃貸借契約書の写し
- 口座振込の領収書、無通帳入金証など、月家賃の支払証明
月家賃を現金で支払って客観的な支払証明がない場合や、契約者と居住者の関係が要件に合わない場合は、控除が制限されることがあります。
医療費税額控除
年末調整簡素化資料に含まれていない医療費があるか確認できます。ただし、健康保険が適用されない非給付の医療費だからといって、すべてが控除されるわけではありません。美容・整形を目的とする費用や、健康増進のための医薬品購入費などは、控除対象から除外されることがあります。
簡素化資料に含まれていない医療費については、医療機関が発行した領収書など、支出内容と控除対象であることを確認できる資料が必要です。
寄付金税額控除
寄付金は、税法上の控除対象団体に支払った金額でなければなりません。宗教団体や民間団体が発行した領収書があるという事実だけで控除が保証されるわけではないため、その団体が適格かどうかと寄付金の種類を確認する必要があります。
中小企業就業者に対する所得税減免
若年者、高齢者、障害者、経歴断絶者などの法定対象者が、要件を満たす中小企業に就職した場合は、給与所得税の減免を受けられます。就職日、労働者の類型、会社の業種、中小企業への該当有無によって、適用の可否と期間が異なります。
一般的には、労働者が減免申請書を会社に提出し、会社が税務署に明細書を提出する手続きを経ます。当時反映できなかった場合は、会社と減免要件を確認したうえで、更正の請求が可能かどうかを検討できます。
婚姻関連の税額控除
単に新婚夫婦であるという理由だけで、すべての年度に同一の減免が適用されるわけではありません。婚姻税額控除のように適用期間が限定されている制度は、婚姻届の提出日と該当する帰属年度の法令上の要件を確認する必要があります。