核心結論
住宅賃貸借において、再契約と契約更新要求権の行使は法的に区別しなければならない。賃借人が契約書を作り直したからといって、直ちに更新要求権を使用したと断定することはできず、反対に新しい契約書があっても、実質が既存契約の延長であれば更新と評価されることがある。
最も重要な判断基準は次の2つである。
- 賃借人が法定の更新要求権を行使するという意思表示をしたか
- 既存の賃貸借が明確に終了し、新たな賃貸借が成立したと見られるか
真の意味で新しい賃貸借契約が締結されたのであれば、既存契約に関する法律関係は終了し、新契約を基準として契約更新要求権の問題が改めて判断され得る。ただし実際の紛争では、契約書の文言、保証金の精算、賃貸借期間、金額の変更幅、当事者の会話記録など、具体的な事情が併せて検討される。
用語整理
| 区分 | 意味 | 核心的な効果 |
|---|---|---|
| 契約更新要求権 | 賃借人が法律に基づき、1回、既存賃貸借の更新を求めることができる権利 | 賃貸人は法定の拒絶事由がなければ、原則として拒絶しにくい |
| 更新 | 既存の賃貸借関係が延長されること | 原則として既存条件が維持され、増額は法定限度に制限される |
| 再契約 | 当事者の合意により既存契約を終了し、新しい条件で再び契約すること | 保証金、賃料、期間など核心条件を新たに定めることができる |
| 黙示の更新 | 契約満了前に一定の通知がないまま期間が経過し、法律上更新されること | 契約更新要求権の行使とは別個の制度である |
契約更新要求権とは何か
契約更新要求権は、住宅賃貸借保護法が賃借人に認める権利である。賃借人は一定期間内に賃貸人へ賃貸借契約の更新を要求することができ、賃貸人は法律で定められた拒絶事由がなければ、これを拒絶しにくい。
一般的に覚えておくべき内容は次のとおりである。
- 賃借人は1回、契約更新要求権を行使できる。
- 行使期間は原則として、賃貸借期間が終了する6か月前から2か月前までである。
- 更新される賃貸借の存続期間は通常2年と見る。
- 更新後の条件は原則として既存契約と同じである。
- ただし保証金や月払い賃料の増額は、住宅賃貸借保護法上の限度、すなわち一般的に5%の範囲の制限を受ける。
ここで重要なのは、契約更新要求権の行使は「新しい契約を再び締結すること」というより、既存の契約関係を法律上延長することに近いという点である。
再契約とは何か
再契約とは、賃貸人と賃借人が合意して既存契約を終了し、新たな賃貸借契約を締結することをいう。実務では、チョンセ契約の満了時点で保証金を大幅に上げたり、月払い賃料へ転換したり、期間と特約を新たに定めながら「再契約書」を作成する場合が多い。
再契約の特徴は次のとおりである。
- 当事者の合意が必要である。
- 既存契約を前提に単純に延長するのではなく、新契約と見られる事情がなければならない。
- 保証金、月払い賃料、契約期間、特約など核心条件が相当程度変わり得る。
- 法定の更新要求権行使と異なり、必ず5%の増額限度内でのみ定めなければならない構造ではない。
ただし、賃貸借保護法を迂回するために名前だけ「再契約」と付けただけで、実質は既存契約の更新であれば、紛争において再契約として認められないことがある。
再契約と更新要求権行使の最も大きな違い
| 比較項目 | 契約更新要求権の行使 | 再契約 |
|---|---|---|
| 法的性格 | 賃借人の法定権利の行使 | 賃貸人と賃借人の合意に基づく新契約 |
| 既存契約との関係 | 既存契約の延長という性格 | 既存契約終了後の新契約という性格 |
| 賃貸人の同意 | 法定拒絶事由がなければ拒絶が制限される | 原則として当事者の合意が必要 |
| 保証金・月払い賃料の変更 | 一般的に5%の上限が適用される | 新契約と認められれば条件を新たに定めることができる |
| 更新要求権の消尽有無 | 行使すれば1回の権利を使用 | 真の新契約であれば別途判断され得る |
| 紛争の核心 | 行使時期と拒絶事由 | 新契約なのか単純な更新なのか |
契約書を作り直せば必ず再契約なのか
違う。契約書を新たに作成したという形式だけでは不十分である。 法的判断では、契約の名称より実質が重要である。
例えば、次のような場合には、新契約というより既存賃貸借の更新と見る余地がある。
- 既存の保証金と月払い賃料がほぼそのまま維持された。
- 賃貸借目的物と当事者が同一である。
- 契約満了時点で単に期間だけを延長した。
- 賃借人が更新要求権を行使すると述べ、賃貸人がこれを受け入れた。
- 新しい契約書に「契約更新要求権の行使に伴う更新」という趣旨の文言がある。
反対に、次のような事情があれば、真の再契約と見る可能性が高まる。
- 既存契約を合意解除または終了するという文言が明確である。
- 保証金や月払い賃料、期間、特約など核心条件が相当程度変更された。
- 保証金の返還および再支払いなどの精算手続が実際に行われた。
- 新しい契約書に、既存契約とは別個の新規賃貸借であるという趣旨が明確である。
- 当事者のメッセージ、メール、録音などでも新契約締結の意思が確認される。
ただし、保証金の返還と再支払いは、対抗力、優先弁済権、確定日付など他の法律問題と結び付く可能性があるため、実際に処理する前には慎重でなければならない。
再契約すると更新要求権は消尽するのか
一律に「消尽する」とは言えない。更新要求権が消尽するかどうかは、再契約という名称ではなく、賃借人が契約更新要求権を行使したかと、新契約が実質的に成立したかによって変わる。
1. 賃借人が更新要求権を行使して延長した場合
賃借人が「契約更新要求権を行使する」と通知し、それに従って契約が延長されたのであれば、更新要求権は使用されたものと見るのが一般的である。この場合、新たに契約書を作成したとしても、その文書が更新内容を確認する性格であれば、1回の権利を行使したものと評価され得る。
2. 当事者の合意により既存契約を終了し、新契約を締結した場合
賃貸人と賃借人が既存契約を明確に終了し、新しい条件で賃貸借契約を締結したのであれば、これは法定の更新要求権行使と区別される。この場合、新契約を基準として賃借人の更新要求権の問題が改めて判断され得る。
3. 形式は再契約だが実質は延長である場合
契約書の表題が「再契約書」であっても、実際の内容が既存契約の延長にすぎないのであれば、更新と見ることができる。特に増額幅が5%以内で、賃借人が更新要求権を行使したという記録があり、既存契約の終了手続がなければ、単純な更新と評価される可能性がある。
実務で確認すべき文書と証拠
再契約なのか更新要求権の行使なのかが問題となるときは、次の資料が重要である。
| 資料 | 確認する内容 |
|---|---|
| 既存契約書 | 満了日、保証金、月払い賃料、特約、更新関連条項 |
| 新しい契約書 | 新規契約なのか、更新契約なのか、既存契約終了の文言があるか |
| メッセージ・カカオトーク・メール | 更新要求権行使の有無、合意解除の意思、条件交渉の過程 |
| 保証金の振込履歴 | 返還と再支払いがあったか、増額分だけ支払ったか |
| 確定日付関連資料 | 新契約締結後に権利保全手続を行ったか |
| 仲介対象物確認・説明書 | 仲介を通じた新契約締結の事情があるか |
紛争予防のためには、「更新要求権の行使に伴う更新なのか」または「既存契約終了後の新たな賃貸借契約なのか」を契約書に明確に記載するのがよい。
契約書に記載しておくとよい文言の方向性
以下の文言は例示にすぎず、実際の契約には個別事情と法律検討が必要である。
更新要求権の行使に伴う更新であることを明確にしたい場合
- 「本契約は、賃借人の住宅賃貸借保護法上の契約更新要求権の行使に伴い、既存賃貸借契約を更新する契約である。」
- 「更新後の賃貸借期間は2年とし、保証金および賃料は法令上の増額限度内で調整する。」
新しい再契約であることを明確にしたい場合
- 「当事者は従前の賃貸借契約を合意により終了し、本契約を別個の新規賃貸借契約として締結する。」
- 「本契約は、賃借人の契約更新要求権の行使に伴う更新契約ではないことを確認する。」
ただし、このような文言があるからといって、常にそのまま法的効力が認められるわけではない。実際には、条件変更の幅、保証金の精算、当事者の交渉経緯など全体の事情が併せて考慮される。
よく混同される事例
事例1: チョンセ金を5%上げて、さらに2年住むことにした
賃借人が更新要求権を行使し、保証金の増額が5%以内であれば、通常、更新要求権の行使に伴う更新と見る可能性が高い。この場合、更新要求権は使用されたものと判断され得る。
事例2: チョンセ金が大幅に上がり、新しい契約書を書いた
既存契約の終了と新契約締結の意思が明確で、保証金も相当程度変更されたのであれば、再契約と見る余地がある。この場合、更新要求権の行使と区別され得る。
事例3: 契約書の表題は再契約書だが、内容はほとんど同じである
表題より実質が重要である。既存条件をほぼ維持しながら期間だけ延長したのであれば、更新と見る可能性がある。
事例4: 賃借人が何も言わずに新しい契約書に署名した
更新要求権行使の意思表示が明確でなければ、直ちに権利行使があったと断定することは難しい。しかし、交渉過程で更新要求権行使の趣旨が確認されれば、異なる判断がなされ得る。
賃借人と賃貸人のためのチェックリスト
賃借人チェックリスト
- 更新要求権を使用するのか、合意による再契約をするのか、まず決める。
- 更新要求権を行使するなら、メッセージやメールなど証拠が残る方法で通知する。
- 新しい契約書に「更新要求権の行使」という文言が入っているか確認する。
- 保証金が大幅に上がる場合、再契約なのか、更新なのかを明確にする。
- 確定日付と転入届など権利保全手続を改めて点検する。
賃貸人チェックリスト
- 賃借人の通知が更新要求権の行使なのか、単なる交渉なのかを区別する。
- 更新拒絶事由があるなら、法定要件と通知時期を確認する。
- 再契約を望むなら、既存契約の終了と新契約締結の意思を文書に明確に残す。
- 保証金・月払い賃料の変更が法定更新なのか合意による再契約なのかによって、異なる評価を受け得ることを考慮する。
- 実居住、賃料滞納など更新拒絶事由は事後紛争の可能性が大きいため、証拠を整理する。
一文で整理
再契約は当事者の合意により新たな賃貸借を作ることであり、更新要求権の行使は法律が保障した賃借人の1回限りの延長権を使うことである。 したがって、契約書を作り直したかだけを見るのではなく、既存契約が実際に終了したかと、賃借人が更新要求権を行使したかを併せて確認しなければならない。